GPT-6.1 SolとAstra、コードは移せても「最後の判断」は別だ
テストできる修正はSolの候補。複雑なPDF、画面操作、難しい研究では確認の費用も変わる。公式評価と独立指標から、単価5分の1をどう使い分けに生かすかを考える。

GPT-6.1 Solなら、テストで合否が分かるコード修正からAstraの仕事を移す価値がある。だが、最後の判断まで一律に任せる根拠はない。 OpenAIがいう「5分の1」はAstraに対する標準の入力・出力トークン単価であり、仕事が終わるまでの費用が必ず5分の1になるという意味ではない(9月29日の公式発表)。
例えば、ある開発チームが同じ日に、テスト付きの不具合修正、細かな注記のある契約資料の確認、結果をすぐに検証できない研究課題を抱えていると仮定しよう。安いモデルを試す利点は三つともある。しかし、間違いを発見するまでにかかる時間と、見逃したときの損失は同じではない。どの仕事なら結果を受け入れられるかが、二つのモデルを分ける基準になる。
本稿の根拠はOpenAIの発表、APIモデル仕様、Artificial Analysisの独立評価。10月2日に公開文面を再確認した。上のチームは説明のための仮定であり、当サイトが両モデルを同じ仕事で実測した記録ではない。
合否が見える修正なら、安さを試せる
最初の不具合修正には、再現するテスト、変更差分、レビュー担当者がいるとする。Solが修正案を出したら、テストを走らせ、人が差分を確かめ、採用するか決める。失敗しても、何が通らなかったかを比較的早く発見できる。ここでは生成したコードの行数ではなく、採用できた修正1件にかかった費用を測りたい。
OpenAIのDeepSWE v1.1評価では、実際のコードベースを使う長時間の課題で、Sol 6.1がAstraに匹敵する成績を約5分の1のタスク費用で出したという。旧Solの最高得点より、低い推論設定と費用で6.4ポイント高いとも報告する。これは開発元の評価で、私たちのチームのテストが同じ成功率を得るという保証ではない。
独立したArtificial AnalysisのCoding Agent Indexでは、Sol 6.1のmax設定はAstraより2ポイント低い。ところがSolの推論設定をxhighにすると、Sol自身のmaxより3ポイント高く、Astraより1ポイント高い。この評価におけるxhighのタスク費用は、Astraの15%未満だ。同じモデルでも設定を外して「上回った」あるいは「下回った」と言えば、読者は別の仕事にそのまま当てはめてしまう。DeepSWEとCoding Agent Indexは、同じ課題を二度測った数字でもない。

| コードエージェントの評価 | Astraとの得点差 | Astraに対するタスク費用 |
|---|---|---|
| Sol 6.1、max | 2ポイント低い | 確認できた数字をここでは示さない |
| Sol 6.1、xhigh | 1ポイント高い | この評価では15%未満 |
大きな図を携帯画面で読まなくても分かるよう、確認済みの差だけを表にした。Solのmax費用や各モデルの絶対得点を、見た目から推定して埋めてはいない。まず回帰テストのある修正で、推論設定を固定して採用率と手直し回数を比較する。複数ファイルにまたがる難しい変更は、追加レビューを残すほうがよい。追加レビューをAstraに替えれば必ず正解になる、と言っているのではない。
PDFの回答と画面上の操作は、同じ「完了」ではない
次の資料には、表の脚注が小さく載っているとする。GDP.pdfは、そうした表・図・細かな注記を含む複雑なPDFから専門的な質問に答える評価だ。OpenAIの結果では、Sol 6.1はAstraの成績に近づき、タスク費用はおよそ5分の1。原文のページを示す回答案を作らせる理由になる。しかし、契約の数字に署名する人まで交代する話ではない。表の該当行、単位、例外条件を原文と突き合わせる時間も費用に入る。
画面操作では、さらに「準備」と「確定」を分ける必要がある。コンピューターを使うエージェントのOSWorld 2.0オフライン集合について、OpenAIは最大推論設定のSolがAstraと2.1ポイント差、平均タスク費用は約7分の1と報告する。これはv2026.08.08のオフライン課題におけるpartial rewardであり、現場での承認済み完了率ではない(公式のComputer use評価)。申請画面を埋めて人に見せることと、取り消せない送信ボタンを押すことは、同じエージェントに見えても異なる権限判断だ。
数字だけを眺めると両方「Astraに近い」で片付けたくなる。だが、文書では原文を確認できるか、画面操作では最後のクリックを誰が承認するかが、利用者の判断を変える。この二つの評価は、それぞれのテスト条件を外して仕事全体の信頼性に読み替えない。
難しい研究は、Astraを比較対象から外せない
三つ目の課題は、正しさを短いテストで確かめにくい。OpenAIのTerminal-Bench Science 0.1は、コードとターミナルを使う分析・シミュレーションなどの研究作業を測る。最大推論設定でSol 6.1は旧Solの得点を2倍以上に伸ばし、平均5.47米ドル/タスク。Astraは23.80米ドル/タスクだが、テストしたモデルの最高得点**68.1%**を取った。OpenAI自身、最も難しい科学研究にはAstraを勧めている(公式の科学研究評価)。
これは「Solは研究できない」ではない。中間の探索を何度も試し、誤りを検証できるなら、低い費用は大きな利点になる。一方、最終結果の誤りを見抜きにくい仕事では、Astraとの比較や独立した検証を残す理由がある。公式の平均タスク費用はその課題群での値であり、実際の研究案件1件の見積もりではない。
第三者のAA-Briefcaseという実務知識を使うエージェント評価でも、Sol 6.1は旧Solより分析品質の評価が上がる一方、発表の分かりやすさを測るPresentation Eloはわずかに下がったという。同じ「専門作業」でも、分析が良くなることと説明が良くなることは別だ。どこを人が確かめるかを決めずに、総合点だけで選ぶべきではない。
安いトークンと、安く終わる仕事は別に測る
公式APIモデル仕様のSol 6.1標準料金は、100万トークン当たり米ドル建てで、通常入力**$2**、キャッシュ読み取り**$0.10**、キャッシュ書き込み**$2.50**、出力**$10**。キャッシュ読み取りの95%割引は通常入力との比較で、請求書全体の割引ではない。Astra比「5分の1」も標準入力・出力の単価を指す。結果を採用するまでに再試行や人の手直しが増えれば、1件の実際の費用比は変わる。
Artificial Analysisの総合Intelligence Indexでは、最大推論設定の平均タスク費用がSol 6.1は0.72米ドル、Astraは3.26米ドル。Solの得点はAstraより1ポイント低い。このタスク群でSolはAstraの4分の1未満で済んだが、上のコードエージェント評価とは別の測定であり、どんな業務もそうなるわけではない(独立評価の費用比較)。同社はSol 6.1の出力が旧Sol 6より約10~30%長いとも報告する。これはAstraとの出力量比較ではない。

| 総合Intelligence Index、max | Astraとの得点差 | 平均タスク費用 |
|---|---|---|
| Sol 6.1 | 1ポイント低い | 0.72米ドル |
| Astra | 比較の基準 | 3.26米ドル |
大きな入力にも条件がある。OpenAIの仕様では入力が27万2千トークンを超える場合、超過した部分だけではなくリクエスト全体に入力・キャッシュ2倍、出力1.5倍の料金が適用される。Fastは標準の2倍、BatchとFlexは半額。これはOpenAIの直接APIの規則であり、第三者サービスの実際の請求方法まで確約するものではない。既存の旧SolとOpusの費用比較はキャッシュを詳しく扱うが、当時のSol 6の読み取り単価を今回のSol 6.1と取り違えないこと。
使える入口を確かめ、移す仕事を決める
9月29日の発表ページを10月2日に再確認したところ、Sol 6.1はPlus、Pro、Business、Enterprise、Eduを対象にChatGPT WorkとCodexで提供し、開発者向けにはAPIのgpt-6.1-solを案内する。一方、ページには通常の**Chatには「まだ提供していない」**と記されている。これは公開文面の状態であって、各利用者の画面を実機調査した結果ではない。Sol Ultrafastも同じ原文では「今後数日」の予告で、既存のFast料金区分と同一視できない(公式発表の提供範囲)。
APIでツールを使うなら、モデル仕様はResponses APIを指定する。Chat Completionsは対応するがツール呼び出しには対応しない。既存の開発環境でモデル名だけを替え、同じエージェント作業ができると決めない。まずテスト付き修正をSolで進め、採用率と確認時間を記録する。次にPDFの回答を原文と照合し、難しい研究ではAstraを含む比較を行う。ここで提案した順序は検証案であって、実際にこの三件を完了した体験談ではない。
安く始めることと、責任を持って終えることを同じ指標にしない。Sol 6.1は検証可能な仕事の強い候補になった。Astraを残す場所は「上位モデルだから」という気分ではなく、失敗を見つけにくく、見逃した費用が大きい仕事かどうかで決めたい。